2022年11月20日日曜日

TILAT nano用 ケーブルレス外部バッテリー

 SLYPOD Proを使用してズーム効果の撮影をするとフォーカスが問題になります。

AFだとトラッキングでも少し動くのでブリージングの影響が出てすごく目立ちます。

対策としてMFにして固定するかフォローフォーカスを使うことになります。

フォローフォーカスはジンバルでnanoかRS2のを使ってましたがRS2はジンバル必須なので、不可能ではありませんが重さと操作性の関係で実用は難しいです。

nanoは単独で動かせるのでスライダー向きです。

でも問題はモーター側のバッテリーです。

USBモバイルバッテリーからVマウントまで電圧の範囲は広いのですが端子がmicroUSBでケーブル接続することになります。

バッテリーは小型のものなら邪魔になりませんがトルクの関係で2セル以上となると選択肢は少ないです。

バッテリーを固定する方法も問題になるのでNP-F系バッテリーをマウントできるアダプターを使っていました。

これは7.4Vと12Vを同時出力ができるので使い勝手がいいのですが大きさと固定位置が限られるのでHDMIケーブルなどに干渉したりします。

そこでモーター側にバッテリーを固定する方法はないかと考えた結果、α6300用のNP-FW50なら2セルで小型なので最適です。

そしてmicroUSBの端子が脆い問題を解決するためにケーブルを使用しない方法で作ることにしました。

位置決めは15mmのパイプがあるので好都合です。 位置関係が変化しないので端子の保護になります。

microUSBの端子を購入し充電用のケースに固定してエポキシパテで整形しました。

エポキシパテは他の用途で実績がある模型用の軽量パテです。

これは耐摩耗性にも優れていて非常に軽いです。

バッテリーは差し込むだけなのでレンズ交換も簡単です。

でもそのままでは下方向には動かないけど端子には負担がかかってしまうので伸縮するベルクロで固定するようにしました。

このベルクロは他の方法を考えていたのですが使いにくかったり干渉したりしたのでこの方法になりました。

これで軽くてケーブルなしで直挿しで使用できるバッテリーとなりました。

2セルなので重いズームリングだと厳しいかもしれませんがまず使うことはないので問題ありません。

nanoのバッテリー問題が解決したら非常に使いやすいフォーローフォーカスになります。

こういうのは社外品でも作ってくれたらいいのにと思いますが・・・これも電圧が厳しくなるせいでしょうか。

基本的にSONY純正レンズを使うのでトルクは2セルでも気になりません。

スライダーと併用する時にとても快適になりました。

2022年11月9日水曜日

皆既月食

 2022年11月8日は皆既月食がありました。

皆既月食自体はそれほど珍しいものではありませんが今回は天王星の惑星食も見られます。

惑星食はどのくらいの頻度なのかわかりませんが、観測しやすい皆既月食と同時となると次回は土星で300年後らしいです。 つまり生涯で最後ということに。

今回は目視だけで済まそうと思いましたがせっかくなので動画で撮っておきました。

EF400mmF5.6Lに×1.4エクステンダー(ケンコー)とα7SIIIで編集でで少しクロップしています。

60fpsで開放でもF8.0なのでISO40,000まで上げてDavinciでノイズリダクションを掛けました。

さすがにダメかなぁと思いましたが意外なほどキレイに撮れたと思います。

昔はフィルムで追尾しながら数秒の露光で撮ってましたが今や動画でも撮れる時代になりました。



2022年11月3日木曜日

SLYPOD Pro ズーム効果で前後させた時のフォーカスについて

 SLYPODは通常だと直線的な動きしかできません。

普通のレール式スライダーならビデオ雲台を載せてアナログになるけどティルトしながらのスライドとかもできます。

SLYPODだとかなり揺れるので手動で雲台を動かすのはできないと言っていいです。

これは簡単には対策というか改善はできないです。

現実的なのはジンバルを載せることくらい。

電動雲台を使う方法もありますがコストが高いうえに連動できないのでメリットはなさそうです。

MOZAのジンバルを購入すれば連動できるようになりますが本末転倒な気がします。

さて、それ以外ならメリットが大きい伸縮タイプなので他のスライダーではやりにくい前後進でのスライドがあります。

そこで問題になるのがフォーカスです。

前後進は編集でのズームでも同等の効果が得られますが編集ではパースが変化しません。

これと似たような手法でズームで被写体の大きさを固定してパースだけ変化させる手法もあります。

フォーカスはAFでやるとトラッキングを駆使しても微妙に動くのでブリージングが大きいレンズだと非常に目立ちます。

それを回避する方法はMFで動かすことです。

そこで実用になるか試してみました。

TILTAのnanoをカメラに付けてそれをSLYPODの上に載せます。

前後のスタートとエンドポイントを設定して往復させます。

その動きに合わせてnanoでフォーカスを手動で追うという形です。

nanoでのフォーカスは本体のモニターでピーキングを参考にしますがそこそこ難易度は高いです。

できれば大きな外部モニターを使ったほうが確実です。

それとSLYPODの往復は両端で停止しないのでnanoのマーキングディスクに目印を付けたほうがいいかもしれません。

近寄るほどフォーカスの移動量が増えるので1発で決められるほどの精度はありません。

でも35GMのようにブリージングが大きいレンズではAFだといわゆる”呼吸”するのでブリージングがすごく目立ちます。

これがMFだと一定方向にしか動かさないので目立たない、というわけです。

AFも設定や被写体次第で気にならない事が多いです。

至近距離でスライダーだと揺れやブレが無いので特に目立ってきます。

フォローフォーカスなら横スライドしながらフォーカスの切り替えも自然にできるので、SLYPODのような揺れやすい機材にはnanoのようなワイヤレスが有利です。