2016年7月30日土曜日

軸受けの話

a6300+SEL24F18ZをH2で使うと予想より振動が多いことがわかります。

1018でOSSをOFFにするとその症状が出てたので画角が半分程度の24mmだとより目立つということでしょう。

強固な設定にしても歩行時の足から伝わる振動などが影響しますがそれよりH2の軸そのもののブレの影響が大きいです。

これは片軸のアームでは避けられません。

ブラシレスモーターのベアリングは深溝タイプを2ヶ使用しています。

深溝だとボール径<転走面の曲率なので(通常は105%くらい)ラジアルスキマとアキシャルスキマが発生します。

この2つのスキマが軸のブレとして出てくるのですが2ヶ使用しても軽減するだけで無くなりません。

片軸のアームだとモーターから各軸が交差する重心位置までの距離によってブレの大きさが変化します。

両軸で保持している、例えば浪人のPitch軸のような構造だと最大でもベアリングのラジアルスキマ分だけのブレしかありません。

実際はカメラホルダーやアームの剛性によりタワミが発生するのでもっと大きなブレになりますが、軸のブレは無視できるレベルになるはずです。

当然、重いカメラやレンズになると外的要因の振動による軸のブレも大きくなります。
しかしこれも両軸なら軸のブレはほとんど変化しません。

つまりH2のような片軸アームだと構造的に軸のブレがあるのでブレは一定レベルで残ることになります。

平面差加工したアンギュラーのセットでベアリングのブレは少なくできますが、モーターでは熱問題もあるし工作精度も1桁違うのものが必要になります。

それにホローシャフトで薄肉のベアリングなので指でつまむだけで数十μm変形します。

モーターのハウジングの精度は測定していませんが工作機械のような精度は出ていないでしょう。

さらにブラシレスジンバルは一定の角度の範囲しか動かないのでベアリングが偏摩耗する可能性もあります。

ミニチュアベアリングで回転は一周しないので特定の部分だけ摩耗します。

それに軸に対する荷重はかなり大きいので、結果的にモーターのベアリングの耐久性によって軸のブレが増えてくるかもしれません。

これをユーザーレベルで対策するのはほぼ不可能です。

H2はペイロード2kgとか表記されていますが、載せられて起動できるのと実用できるのは全く別の話です。

実際にはせいぜい1kgまででワイドレンズ、さらにOSSなどの光学手ブレ補正必須だと考えた方がよさそうです。

映像ではなく、ブラシレスジンバルを極めようとする一部のマニアはたぶんソフトウェアはもちろんのこと、光学またはボディ内手ブレ補正は使わないと思います。

でも手ブレ補正を使う使わないはどうでもよい事です。

ただ、少なくともジンバルを走り用に設定するときはOFFにした方がよいと思います。

振動が設定によるものなのか、または走り方によるものなのか、それとも軸がブレているのか判断するためです。

Pitch軸は両軸にしやすくH2でも改造すれば不可能ではありません。

でもRoll軸は軸受けを追加すると可動範囲に制限が出てきます。 Yaw軸も同じ。

Pitch軸も補助アームを追加するとインバートモードへ移行できなくなるので、そんな使いにくくなる改造をするくらいなら違う機種を探すか作るか、といったところです。

作るのは不可能ではないのですが単純に考えて浪人サイズになります。

ケーブルだらけでスマートとは言えないしトレッキングのお供なんて不可能です。

軸のブレは購入する前から判っていたことですが・・・もう少し悪あがきしてみようかな?










0 件のコメント:

コメントを投稿